どうも!挑戦者です!
ひょんな事から珍道中は始まる。
1月未明 京都から東京まで原付で行こうとしている女がいた。そう、筆者である。
まず何故そうなったのかというと、知人と会うため東京に行く予定があったのだが、何で行こうか考えていた時、夜行バスや新幹線が頭に浮かんだのだが、どれも学生の時に乗った事があった為あまりワクワクしなかった。
まぁただの移動なのだからワクワクもクソもないのだが笑
でもせっかく遠くまで行くのになんだかつまらなく感じてしまい、なにか経験した事のない方法は無いかと考えていると、まず飛行機が思い浮かんだ。筆者は飛行機に乗った事が無いので飛行機で行こうと思ったのだが、毎日飲みに行き過ぎてお金が無い筆者にとっては少し高い。
………………そうだ!原付で行こう!
そして、珍道中は始まりを告げる。
ではまず装備から。
持ち物 スマホ、スマホを原付に固定するやつ、財布、モバイルバッテリー×1、ポケットWi-Fi、前に使っていたスマホ(音楽がいっぱい入っているだけでネットは使えない)、Bluetoothイヤホン
服装 上はヒートテック、薄めのニット、トレーナー、持っている中で一番暖かい上着、マフラー、普段使いでは寒さを感じた事のない手袋。下はデニム、普通の靴下、スニーカー
私は、足が寒いなんてものは気のせいだと思っているので下はかなり軽装である。冬になると、足が寒いと言っている友達に気のせいだよと教えてあげているのだが誰も信じてくれない。
最初は裸足にクロックスで行こうとしていたのだが、周りに止められたので靴下とスニーカーにしておいた。それでも普通に考えたら軽装なのかもしれないが……
少なくとも私はこれで十分だと思っていた。この時までは……
ちなみにナビでは東京まで約500km 、所要時間約10時間となっていた。
途中休憩することや少々イレギュラーが起こるかもしれない事を含めても大体12時間、遅くとも15時間もあれば着くだろう。東京では知人の家に泊めて貰う予定だったので、9時に出発すれば21時〜0時の間には着く予定だと伝えた。
09:00 出発
全ての荷物が入ったトートバッグをメットインに入れ、スマホを原付に固定し東京までのナビを開く。原付のメーターは約7900kmとなっていてガソリンは8割ぐらい入っていた。
走り出しは快調で、道に迷う事もなく特に寒くもない。
運転するのは好きなので普通に楽しい笑
11:00 伊賀市のコンビニ
ふとスマホを見てみると、出発時には100%あったスマホの充電が20%程になっていた。いつもはこんなにすぐ減らないのに何故だろうと思いつつも、昼ご飯を選び会計を済ませてイートインの席に座る。充電しようと思いもう一度スマホを見てみると、バッテリー残量は23%になっていた。
あれ?さっき見た時は20%だった気がするけど……見間違えたのかな?とあまり深く考えずにモバイルバッテリーに繋いで充電した。
ちなみにこの時はそんなに深く考えていなかったのだが、この謎は後々明らかになりこの旅にたくさんの困難をもたらすのだった……
それはさておきイートインで弁当を食べていると、なぜだかご飯がいつもより食べにくい。ふと手を見ると小刻みに震え、指も動かしにくい。スタートのワクワク感と運転に集中していたのもあり気付かなかったが、どうやら少し体が冷えているようだ。温かいコーヒーを飲んで少し休憩する。
11:30 伊賀市のコンビニを出発
スマホの充電は50%ぐらいになり体も少し温まった。そして走り出す。まだまだ疲れも感じない。楽しい!!と思い走っていると……
走り出してすぐに、またもスマホの充電は20%程に。どうして今日はこんなにも減りが早いのだろうと思いつつも、モバイルバッテリーに繋いで充電しながら使う事にした。
が、安心したのも束の間、さっきよりもゆっくりだが充電は少しずつ減っているのだ。ナビを見るとしばらく道なりだったので、Googleマップを消してスマホを使わずにしばらく充電しておく事にした。
そしてそのまましばらく走り、そろそろ充電出来ただろうと思いスマホを見てみると、なんと10%しかないではないか!スマホが使えなくなると東京までの道がわからなくなる上に連絡も取れなくなってしまう。まだ三重県だというのに!
音楽が入っている方のスマホや、ポケットWi-Fiにも充電していた為モバイルバッテリーの充電ももう少ない。どこかで充電したいが停まっている時間は無い。どうしようかと考えていると……
名案が浮かんだ!
新しいモバイルバッテリーを買えばいいではないか!モバイルバッテリーは、買った時に少し充電が入っている場合がある。そして前ダイソーに安くでモバイルバッテリーが売っているのを見た。
と、いうことでバッテリーの残量が一桁になっているスマホで近くのダイソーを検索して向かう事にした。
12:00 伊賀市のダイソー
お目当てのモバイルバッテリーを発見!
お値段も税込550円と金欠には嬉しい価格だ。そして袋の外からバッテリーの残量が見える様になっていたので確認してみたところ、まだ残っている!出来るだけバッテリーの残量が多い物を選んで購入。フル充電で4つの光が点灯するようで、今は3つの光が点灯しているのでそこそこ残っているようだ。早速スマホに繋いで充電する。あまりに安いので本当に使えるのかと心配していたが無事充電できた。機能も全然問題なく今まで使っていたモバイルバッテリーはなんだったのかと思う程だ(元々持って来ていたモバイルバッテリーは2000円程したがバッテリーの容量も速さも体感では同じぐらいに感じる)。
余談だが、ダイソーで購入したこのモバイルバッテリーはこの後にする京都〜東京ヒッチハイク編、自転車編でも大活躍する。
充電している間に、今日は何故いつもよりバッテリーの減りが早いのか調べることにした。
すると、どうやら寒過ぎるとバッテリーの駆動時間が短くなるそうだ。確かにバイクで走っている時に寒風に吹かれ続けたスマホはキンキンに冷えてやがるっっ!
恐らくカイジのビール以上だ。
対処法はスマホを温めるしかないようだが、使い捨てカイロ等を使って外部から温めるのは適温よりも高温になるおそれがある為NGらしい。ポケットに入れて手で温めたり、温かい息を吹きかけてみたりしたが私のスマホはもう既に冷え切っており、そんな程度では温かくなりそうもない。
ということでもう一度ダイソーへ行き使い捨てカイロを購入しポケットの中でスマホにあてる。
そして暫くしてからスマホを確認してみると……
なんと!!
少し温かさを取り戻し、バッテリーの残量も少し増えているのだ!
つまり、寒過ぎてバッテリーの残量が本来よりも少なく表示されていたということだ!(たぶん)
だからコンビニに入ってすぐの時より、少し時間が経ってからのほうがバッテリーの残量が少し増えていたのか!確かにそのコンビニはすごく暖かく、私も結構長い間なにを食べようか迷ってウロウロしていた。バッテリー残量の見間違いでは無かったようだ。
ということでスマホのバッテリーがすぐになくなる謎は解けたのだが、問題はこの先どうやってスマホを冷やさずに走り続けるかだ。今まで通り原付に固定して走るとまたすぐにキンキンになってしまうだろう。
とはいえポケットに入れて走るとナビが見れないので道がわからない。スマホにカイロをあてて原付に固定することも考えたが、寒いだけならまだしもバイクが走っている時の冷たくて強い風に吹かれる事を考えると厳しいだろう。
となるとやはりポケットに入れておくしか無いか……
ある程度最初に道を覚えておいてナビを終了し、スマホをモバイルバッテリーに繋いだ状態でカイロと一緒にポケットに入れ温めておく。道がわからなくなったら一度停まってナビを見て、また道を覚えて行く。これしかない。幸いにも私は記憶力には自信があり、何個目の交差点を右、などと覚えられるだろう。
ナビを見てみると、左折して………左折して…………ふんふん………27km先を……………………
いや誰がわかんねん。
27km先、誰がわかんねん。
そもそも27kmも走ったら右折か左折かも忘れてまうわ。
まぁそうは言ってもそれしか方法が無いのだからやるしかないが。
ちなみに27km先、分岐を左らしい。
12:30 伊賀市のダイソーを出発
スマホの充電問題で大幅に時間をロスしてしまった。とにかく先を急ごう。取り敢えず覚えた道順通りに走り出す。最初は迷うことなく順調に進み、27km道なりに行く。
しばらく走り、そろそろ27kmぐらい走ったかなーというとこで前方に目を凝らし、それっぽい分岐を探す。
………全然見当たらない。
まだ先なのか、それとももう過ぎてしまったのかどっちなんだ。もう少しだけ進んでみるが、もしとっくに過ぎているとしたらこうして進めば進む程どんどん遠ざかってしまうので不安で不安で仕方がない。
ずっと見付けられないまま、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ、と進んでいたら結構な距離をきてしまった。これはもう一旦停まってナビを確認するしかない。頼むから既に通り過ぎているのだけは勘弁してくれ。まだ先であってくれ。ただ、どちらかといえば通り過ぎている様な気がするのだが……頼む……
祈るような気持ちでナビを確認してみると予想は的中し、とっくに通り過ぎていた。しかも結構な距離を。
取り敢えずナビで新しいルートを検索してもう一度覚え直すが、また通り過ぎてしまわない様にするにはこまめに停まってナビを確認しながら行くしかなさそうだ。
気を取り直して再出発。今回はある程度進むごとに停まってナビを確認しているので迷ったり曲がる所を通り過ぎたりすることなく順調に進んでいる。
が、スマホをポケットから取り出す機会が多くなり充電がどんどん減っている。どうしようかと悩んでいると、あっという間にバッテリーの残量は8%に。
もうどうしたらいいんだよ!!!
道を覚えるのにも限度があるし、道を間違えてしまうこともある。でもスマホをポケットから取り出してナビを確認するとすぐに冷たくなってしまう。ポケットにカイロを入れているが、そんなに暖かくないのかモバイルバッテリーに繋いでいても充電は全然増えない。むしろナビを確認する度に減る一方だ。
おいおいまだ三重やで?(笑)
地図なしで三重から東京までの道などわかる筈もなく、道路にある案内標識(青看板)にもまだ東京の文字は無く知らない地名ばかりだ。到着予定時刻もどんどん遅くなっている。道がわからなくなってしまった以上ここで終わりなのか……?
諦めるしかないのか…………?
否!!!!!
ぜっっっったいに諦めない!!!
実は、筆者は超がつく程の負けず嫌いであり、逆境に燃えるタイプだ。変態とでも呼んでくれ。
闘志をメラメラと燃やしながら必死に考えた。どうすればナビが見れなくても東京まで行けるか。考えろ。考えるんだ!知恵を振り絞れー!
…………地図を買う?
……いや、出来るだけお金はかけたくない。
金欠なんだよ!ほっといてくれ!笑
もっと何かある筈だ!だって昔の人はスマホなんか無くても行けたんだから!どうすれば地図無しで……
待てよ………
どの道に進めばいいのかはわからないが……
少なくとも東の方へ向かう事は間違い無い。
方角がわかる物など何も持っていないが、確か太陽は東から昇り南を通って西に沈むと記憶している。今は昼過ぎ。太陽はだいたい南にいる(たぶん)。ということは太陽を右手に見ながらひたすら走れば東に向かう事になり少なからず東京に近づく筈だ!
自分の事を、天才なんじゃないかと本気で思った。
そして自信満々に令和とは思えない方法で東京へと走り出す。
何も考えず走った。とにかく東へ走った。すると、案内標識(青看板)に名古屋の文字が現れた。名古屋は三重より東にあるし、東京に行くなら名古屋は絶対に通るであろう場所だ。とりあえず名古屋を目指した。案内標識が示す名古屋の方向へ。道に迷ったらとにかく東に向かって走った。
ひたすら走った。何にも考えず走った。
気付けば名古屋にいた。
次回 名古屋編!お楽しみに!
続きはこちら! 京都から東京まで原付で行ってみた 名古屋編